自分の変貌、そして変わる決心

私は、久しぶりに鏡を見て、自分の変貌ぶりに驚いたものです。
ここから、出会い系のため云々ではなく、自分のために私は生まれ変わる決心をしたのです。
まず、ほとんど部屋から出なかったのですが、矯正専門の歯科へ通うようになりました。
そして、デパートへ行き、店員さんに化粧を施してもらうようにしました。
私は化粧の経験が全くなかったので、最初はドギマギしていましたが、丁寧に店員さんが化粧の仕方や、肌のお手入れ方法を教えてくれたので、それを自分で実践するように心がけました。
積極的に、有名人のブログや雑誌のサイトなどを見て、自分に合ったファッションも研究するようになりました。
カジュアルに路線を決め、母親と一緒にいろんな服を買いに出かけました。
それまで基本的に外へ出るときは、ジーパンにTシャツ、スニーカーという風貌だった私は、Tシャツでもぴったりとして体のラインが出るもの、デニムでもジーパンではなくホットパンツ、そして靴はスニーカーでもダサダサの運動靴ではなく、コンバースやナイキなどのオシャレに見えるものを履くようにしました。
また、おしゃれは内面からという言葉をどこかで聞いた私は、母親に買ってきてもらっていたブラやショーツなどを全て処分し、新たに可愛らしい下着を大量に購入しました。
こうして、私はダサかった自分を捨て、今風の女の子へと進化していったのです。
この変貌があったからこそ、出会い系でたくさんの男性と会うことができたといっても過言ではありません。
それほどまでに、昔の私はダサいし地味だし、出会い系どころか普通に生活していても、男性から目に止めてもらうことはできなかったでしょう。

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ケイコとのチャット

顔は見えないけれど初めてできた友達に、私は毎日有頂天になっていました。
この気分が、後に出会い系で多くの男性をたぶらかした時に感じる恍惚感に近いと気づくのは、まだ先のこと。
ある日、いつものようにルーム5にログインした私は、普段あまり話をしないケイコとチャットする機会がありました。
このケイコこそが、私を出会い系に導く張本人となるのですが、その時はまだ知る由もありませんでした。
まだケイコ以外の常連が来ていなかったので、私は必然的にケイコと話すことになったのです。
ケイコは、私に女性の最大の興味とも言える話題であろうダイエットについて話していました(この時にちらりと出会い系についても話していたようですが、私は聞いたことすら忘れていました)。
最初は興味なさげに聞いていましたが、ケイコの実際に痩せた体験談を聞いていくうちに、なんだか私にもできそうな気がしてきたのです。
ケ「よかったらこのサイト見てみて。http…」
私「ありがと。気が向いたら覗いてみるね。」
そうして話している内に、いつものメンバーが続々やってきて、私はいつの間にかそのサイトのことを忘れていました。
しかし私は日中暇だったので、気まぐれで例のダイエットエクササイズのサイトをのぞき、なんとなくそのDVDを購入することにしたのです。
そうして数日後DVDが届き、チャットをする時間まで特にすることがない私は、ダイエットエクササイズをするようになりました。
気がついたら、153cmで58kgもあった体重が、なんと45kgにまで落ちていたのです。
痩せたことで代謝が良くなったのか、ニキビもすっかり減り、また日に当たらないので地黒だった肌はすっかり白くなっていました。
ケイコとの何気ない会話が、私を変える大きな一歩となったのです。

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変わった私がオフ会へ!

短大の入試に受かったとわかると、両親は狂喜し、私も久しぶりに親の前で泣き、みんなで抱きしめ合って泣きながら笑いました。
そして泣きながらチャットで、短大への入学が決まったことをルーム5の友人たちに話すと、彼らは「お祝いだ!」と言って、オフ会を企画してくれたのです。
初めて彼らに会うということで、私は緊張半分、期待半分でオフ会の日を指折り数えていました。
そして、ついにオフ会の日、私は支度に時間をかけすぎて、少し遅れて待ち合わせの駅へ向かいました。
その日のファッションは、シルバーで英文がプリントされた黒地ロングTシャツに、上から赤と黒のボーダー柄のぴったりとしたパーカー、更にその上は黒いベロア生地のシンプルなジャケット、足元はデニムのミニスカートにパープルのタイツ、そして黒のエンジニアブーツでした。
私は、その頃ゴシックパンクスタイルにはまっていたので、ロックな格好で決めていました。
ちなみに、出会い系サイトにはまり始める頃には、私のファッションはかなり本格的なパンクスタイルへと以降していきますが、実際に出会い系で男性と会うときは、そんなこと微塵も匂わせず、必ず男性受けする服装、及び化粧と髪型でバッチリと決めていました(さすがに出会い系でゴリゴリにパンクを前面に押し出すのは、ちょっと気が引けたからです。パンクスタイルは受け入れられないという男性も多いみたいでしたので)。
あらかじめ、待ち合わせの際にみんなわかりやすいアイテムを身につけると決めていたので(私の場合は、大きなキティちゃんのマークが付いたキャップを被っていきました)、すぐにわかるだろうと思っていました。

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チャットルーム

私は引きこもりでした。
自分の外見に自信が全く持てず、ずっと自分の殻に閉じこもっていました。
ブスでチビ、そしてデブだった私は、まさしくコンプレックスの塊で、そんな根暗で人とのコミュニケーションを苦手とする私が、高校生活を上手く送ることはできないだろうと、私は高校を受験せずに、中学卒業後は引きこもりになったのです。
私は自分のコンプレックスから逃れられず、常に暗い部屋で一人、毎日を過ごしていまし
た。
元々携帯電話を買い与えられていたし、私の部屋にはパソコンもあったので、私はインターネットという匿名の世界で、初めていろんな人と交流するようになりました。
私が当初利用していたのは出会い系ではなく(そもそも当時はまだそれほど出会い系サイトはメジャーではありませんでした)、チャットルームでの不特定多数とのチャットで、私は数あるチャットルームの中でも、『ブラックルーム』というところのルーム5に常連として、夕方からほぼ毎日数時間入り浸っていました。
ルーム5には、私を含めて常連が6人いました。
大学生のりょうた、会社員のミート、専門学生の那智、美容師のケイコ、高校生のニッシー、そして真鈴(まりん)こと私です。
私は、引きこもりであることを隠し、高校生で料理部に所属していると偽っていました。
インターネットの匿名性を使い、私はネットの中では現実の自分から逃れ、自分の理想とする女性を演じていたのでした。
私は、カーテンを締め切った部屋で、毎日ひたすらチャットをしていました。
この時点でも、私はまだコンプレックスの塊で、とてもじゃないけれど出会い系に登録する勇気も外見なども持ち合わせていませんでした。

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オフ会へ行きましたよー

幹事をしてくれていたのは、会社員のミートさんでした。
ミートさんは私の目印であるキャップを見つけてくれ、話しかけてくれました。
そうして、私は無事に合流することができたのでした。
どうやら、他のメンバーは先に店に入っているようで、私はミートさんに連れられて居酒屋へと足を踏み入れました。
居酒屋なんて初めてで、ただでさえ緊張していたせいか、店内に入って席へと向かっている途中、私は足がもつれて何もない所で派手に転んでしまいました。
そこはちょうど、オフ会のメンバーが集まっていた部屋の真ん前で、みんな一斉にこちらに注目し、思いっきりずっこけている私を見て爆笑していました。
私は痛みと恥ずかしさで泣きそうになり、ミートさんが「真鈴ちゃんおもしろいね!」と言って起こしてくれましたが、今まで友達と呼べるような人がいたことのない私には、こんな時どういう返事をすればいいのか、さっぱりわからなかったのです。
こんなドジを初っ端から炸裂させた鈍臭い私が、どうやって出会い系におけるビッチになったのか、それは、このオフ会がきっかけでもありました。
このオフ会で、男性と話すことに抵抗をなくし、女としての自信をつけていった私は、後に出会い系でも自分から相手にどんどんアプローチできるほどの図太さも手に入れることになったのでした。
それほどまでに、男性と会話できるということが、これまで父親以外の男性と面と向かって話したことなんてない私には、新鮮であり、そして快感でもありました。
このオフ会をきっかけとして、私は出会い系で爆発させていた自分の中に眠っていた雌としての本能を、徐々に目覚めさせつつあったのです。

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